神殺しのクロノスタシスⅣ
「とにかく…一度、学院に戻ろう。皆、色々聞きたいことはあるだろうけど…」

あぁ。めちゃくちゃあるな。

シルナを質問攻めにしたい。

…ところだったが。

「まずは、一休みしてからにしよう」

…そうだな。

でなきゃ、疲れて、まともに話し合うどころじゃない。

とりあえず俺は今、何も考えずに寝たい。

考えなきゃならないことは山積みなんだけどな。

「…シュニィちゃん、クュルナちゃんも。そういうことで良いかな?」

「分かりました。…無理もありません。お二人共、今帰ってきたばかりですから」

「他の子は?私達以外に魔法陣に入った子は、誰か帰ってきてる?」

あ、そういえば。

俺とシルナが魔法陣に入って、異次元世界に転送されてから、どれくらい時間がたったのかは知らないが。

最初に入った四人と、無断で突撃した元暗殺者組二人、そして俺達と一緒に入ったナジュ、合計七人は。

彼らの所在は?もう帰ってきているのだろうか。

「いえ、お二人が最初です。あとの方は、まだ…」

とのこと。

そうか。俺達が一番遅く入ったのに、一番に戻ってきてるのか。

こればかりは読めない。異次元世界の時間の流れは、こちらの世界の時間の流れとは異なっているからな。

「分かった。それと…一応この場所に、もう少し警備を増やしてもらえるかな。さっきの人が帰ってきたら…」

と、シルナが言った。

それは充分有り得るな。

また誰かが戻ってきたとき、魔力が限界に近い状態で奇襲されたら。

今度は、命も危ぶまれる。

「はい、分かりました。私達の他に、別に応援も呼びます」

「ごめんね、頼りっぱなしで…」

「気にしないでください。お互い様ですよ」

シュニィは笑顔で、快く引き受けてくれたが。

何故かシルナの顔色は冴えなかった。

魔力を消耗しているからでもあるだろうが。

…多分、それだけではないだろうと思った。

根拠がある訳じゃない。長年の勘だ。
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