神殺しのクロノスタシスⅣ
――――――…さて。

こちらは、キュレム・エフェメラル。

現在の状況を説明しよう。

俺は魔導師の家に生まれながら、生まれつき魔導適性を持たず。

家の中では、勉強するしか能のないポンコツ扱いをされていた。

が、そこに、弟に魔導適性アリとの通知があり。

家の中はお祭り騒ぎ、俺は一人蚊帳の外。

まるで、魔導師になれないのなら、何の価値もないと言わんばかり。

あれからも相変わらず、惰性で勉強だけは続け。

塾では褒めちぎられ、学校でも優等生ではあったが。

家の中では、まるでいない者のように扱われていた。

弟に魔導適性があると知るや、両親は弟に夢中。

小さい子供向けの魔導理論の本を持ってきては、親子仲良くお勉強会。

俺はそれを眺めながら、半額シールの貼られた菓子パンを齧る。

3割引シールから、とうとう半額シールに降格。

それどころか、弟の教育にご執心のあまり、俺の為の半額菓子パンを用意するのを忘れることもしばしば。

俺としては、内心腸煮え繰り返っていたが。

この身体の持ち主は、黙って見ているだけだった。
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