神殺しのクロノスタシスⅣ
…よう。

直接会うのは初めてだな。

「魔導師であるのが、そんなに偉いって言うのか?魔導適性があれば、それだけでちやほやされるのか?」

…。

「僕が今まで、どんなに苦労してきたと思ってるんだよ?幼い頃から、魔導適性がないって分かっただけでがっかりされて、お前はこの家を継げないんだって言われて…」

…。

「せめて勉強だけはと思って、必死に勉強してきたよ。そうすれば認めてくれると思ったから!必死に頑張って、遊びたいのも我慢して勉強して、勉強して…。ようやく、両親もちょっと俺のことを見てくれるようになって」

…。

「魔導師にはなれないけど、医者や弁護士になれば、せめて普通の人間として扱ってもらえる。だから僕は頑張ったんだよ!それなのに…それなのに…!」

…。

「どれだけ頑張っても、両親には僕の苦労が分からない。褒めてももらえない!あんなに努力したのに…あんなに良い成績を取ったのに…」

…。

「挙げ句、弟に魔導適性があると分かった途端、何なんだあの態度は!僕のことなんて、少しも顧みてくれなくなった。両親にとって大事なのは、魔法が使える弟だけ。跡継ぎになれる弟だけ!」

…。

「散々僕をいない者扱いしておきながら、受験に失敗した途端、僕を罵って馬鹿にして、皆手のひらを返したんだ!何で、こんな酷いことが出来るんだよ!?」

…。

「魔導師なんて、絶対許さない。魔導適性があるからって偉そうにしやがって!同じ人間じゃないか!それなのに…お前達だけ、いつもいつも、お前達だけ!」

…。

「絶対に許さないからな。お前らだけは!魔法の使えない世界で、永遠に彷徨い続ければ良いんだ。お前らなんかに、僕の気持ちが分かってたまっ、」 

俺は、べらべら喋りまくるそいつの襟首をがっちりと掴み。

そして、渾身の一撃をお見舞いした。





「知るか!!」



横っ面をぶん殴られた青年が、面白いように吹っ飛んでいった。
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