神殺しのクロノスタシスⅣ
お前の苦労が、不幸が、何だって?

んなことは、クソどうでも良いんだよ。

俺は、地面に蹲って、痛みに悶えているそいつの襟首を掴み上げた。

「…ルイーシュを何処にやった?」

「…へ…?」

へじゃねぇよ。

俺はずっと、それだけが気がかりだった。

ガリ勉野郎の人生なんて、俺はどうでも良いんだ。

俺が身体の自由を奪われてるとか、変な世界に迷い込んだとか、そんなこともどうでも良いんだ。

それよりも。

「俺の相棒を、何処にやったんだよ?」

一緒にいたはずだよな?

ここに来る直前のことはよく覚えてないが。

でも多分、一緒にいたはずだ。

なら、ルイーシュも同じように。

俺の相棒も同じように、こんな摩訶不思議な世界に送られた可能性がある。

ルイーシュを何処にやった?

「…あいつはな、いつだって怠惰の極みみたいな人間だし、我儘だし、言うことは聞かないし、本当にろくでもない奴だけど…」

それでも。

それでも、あいつは。あいつが。

「…俺の相棒なんだよ」

自分のことなんかより大事なものが、俺にはあるんだよ。

テメーのクソみたいな苦労話より大事なものが、この世にはあるんだよ。

ついでに言うと。

お前より遥かに苦労して、不幸な思いをした奴がいるんだよ。
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