神殺しのクロノスタシスⅣ
俺個人には、全く良い思い出のない受験だが。

この身体の持ち主にとっては、受験は大変な意味を持つものだった。

散々周囲に馬鹿にされ、お前など兄貴の足元にも及ばない、と言われ続けていた彼だったが。

ところがどっこい、この少年にとって受験の結果は、結構華々しいものだった。

って言うか、志望校に合格したんだから、そりゃどんな大学でも華々しいだろう。

あ、はい。おめでとうございます。

受験したのは、一流大学と呼ぶには到底及ばない大学ではあったものの。

本人にとっては、ちょっと背伸びした大学だった。

その大学を受験すると決めたときも、散々周囲に馬鹿にされ。

「お前なんか、何処の大学も合格出来やしない」とか。

「どんなに勉強したって、お前の学歴は高卒だ」となじられていた。

全国の高卒の人に謝れ。

何なら、俺も高卒ですよね。

しかし、そんな俺にも、受験の神様が半笑い。

レベルは高くなかったものの、大学には合格した。

一応第一志望。

本人は、諸手をあげて喜んでいた…、




…が。

「何だ、合格したの?別に、あんたには期待してなかったんだけど」

母親の第一声が、これだった。
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