神殺しのクロノスタシスⅣ
…あぁ、そういうこと。

こいつが、俺が追体験させられてた人生の持ち主か。

つまり、この身体の主。

ようやく会えましたね。実に長かった。

自分以外の人の人生なんて、経験するもんじゃないな。

面倒臭い。

「魔導師なんて…魔導師なんて存在がいるから…俺の人生は、めちゃくちゃになったんだ…!」

…ふーん。

「家族にはずっと馬鹿にされて…。誰からも兄さんと比較されて…貶されて…。お前には、この気持ちがわか、」

「分かる訳ないでしょう?何トチ狂ったこと言ってんですかあなたは」

「ぐっ…!?」

俺は、現れた小僧の胸ぐらを鷲掴みにした。

やっと、このときがやって来た。

本当に長かったですね。根が面倒臭がりなもんで、もう少し長かったら全部放り投げるところだった。

いや、放り投げはしないか。

だって、大事なことが何一つ、解決してないですからね。

「キュレムさんは何処ですか?」

ずっと、それを聞きたかった。

こいつの人生録なんてどうでも良かった。

「は、は…?」

は、じゃないんですよ。

質問にも答えられないような馬鹿だから、周囲からも馬鹿にされるんだ。

「彼、俺の相棒なんですよ」

いてくれなくちゃ、困るんです。

返してもらわないと。

「あなたのことなんかクソどうでも良いんで、キュレムさん返してください」

「な、何言って、」

ボコッ、と。

少年の右頬に、鉄拳がめり込んだ。

おっと、つい手が滑りましたー(棒)。

「良いから返してください。何処にいるんですか?」

「ぐぇっ、えほっ…。そ、そんなの、」

ボコッ。

はい、次左。

すいませんね、ちょっと俺の手が暴走して。

「何処にいるのか、って聞いてるんですよ…俺の相棒は」

それ以上に大切なことが、他にあります?
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