神殺しのクロノスタシスⅣ
生まれたときから、魔導適性のある兄がいて。
何なら弟も、と期待されたところを、弟の方は普通の人間で。
別に普通の人間でも良いだろうに、兄が偶然魔導適性に恵まれた…この世界で言えば、天才の類。
そんな兄を持つものだから、弟であるこの人にも、当然期待された。
でも彼には魔導適性はなく、普通の一般人。
じゃあせめて、何か特別な才能でもないものかと、これまた期待され。
しかし蓋を開けてみれば、どうだ。
この弟は、何かに付けて凡人だった。
いや、凡人以下だった。
特別何かに秀でている訳でもない、勉強も出来ないし運動も出来ないし、性格もねじ曲がってる。
まぁ、性格がねじ曲がったのは、兄貴と比べられ続けたせいだろうが。
こんなポエム帳を作らざるを得ないほどに、兄貴と比較され。
本人の言う通り、散々小馬鹿にされ、家族にも半ば呆れられ。
家の中では肩身の狭い思いをし続け。
それでも何とか認められようと、馬鹿にされ続けながらも努力を重ねてきた。
時折堪えきれなくなったときは、ポエム帳に吐き出してストレスを発散し。
限られた才能の中で、可能な限り努力を尽くして、やれるだけのことはやってきた。
しかし、駄目だった。
彼が何をしても、全て、天才魔導師(笑)の兄の前では足元にも及ばない。
だからこいつは、魔導師を憎んだ。
この世に魔導師なんて存在がいるから。
生まれながらに、持つ者と持たざる者が生まれて、その間に大きな差がつく。
例え同じ両親から生まれた子供であっても、平等ではない。
持つ方だけが評価されて、持たない方は蔑まれる。
魔導師がいるから。全部魔導師のせいで…。
…で、それが何だって言うんだ?
俺に言わせれば、そんなものは片腹痛い。
生まれたときから人に差があるのは当然だ。
魔導適性のみに限った話ではない。
自分に才能がないことを正当化する為に、言い訳してるだけだ。
そんなに兄と比べられたくないなら、そんなに周囲に馬鹿にされるのが嫌なんだったら。
ポエム帳を作るくらい追い詰められてて、魔導師憎さに、怪しげな世界を作り出して他人に腹いせするくらいなら。
もっと、先にやることがあるだろ。
「怒りや憎しみをぶつけるなら、家族にぶつければ良いでしょう。あなたを馬鹿にする人々に、殴られた分だけ殴り返せば良かったでしょう」
殴られた、は比喩だ。
でも、言葉で殴られたようなものだ。
「あなたが、自称優秀な兄のせいで苦しんでいたのは知ってますよ」
嫌と言うほどポエム帳を見せられたし。
そして。
俺は…この人に似た人生を送った人を知っている。
全く意趣返しのようで、腹が立つ。
「でも…その憎しみを、他人にぶつけるんじゃないですよ!」
俺は、少年の下顎にアッパーカットを食らわせた。
「がふっ」
がふっじゃない。
ついでに。
「自分が世界で一番不幸だなんて自惚れて、ガキみたいな我儘言ってんじゃないですよ!」
とどめとばかりに、脳天に拳骨を食らわせてやった。
少年は脳天に食らった一撃で、へなへなと床に崩れ落ちた。
何なら弟も、と期待されたところを、弟の方は普通の人間で。
別に普通の人間でも良いだろうに、兄が偶然魔導適性に恵まれた…この世界で言えば、天才の類。
そんな兄を持つものだから、弟であるこの人にも、当然期待された。
でも彼には魔導適性はなく、普通の一般人。
じゃあせめて、何か特別な才能でもないものかと、これまた期待され。
しかし蓋を開けてみれば、どうだ。
この弟は、何かに付けて凡人だった。
いや、凡人以下だった。
特別何かに秀でている訳でもない、勉強も出来ないし運動も出来ないし、性格もねじ曲がってる。
まぁ、性格がねじ曲がったのは、兄貴と比べられ続けたせいだろうが。
こんなポエム帳を作らざるを得ないほどに、兄貴と比較され。
本人の言う通り、散々小馬鹿にされ、家族にも半ば呆れられ。
家の中では肩身の狭い思いをし続け。
それでも何とか認められようと、馬鹿にされ続けながらも努力を重ねてきた。
時折堪えきれなくなったときは、ポエム帳に吐き出してストレスを発散し。
限られた才能の中で、可能な限り努力を尽くして、やれるだけのことはやってきた。
しかし、駄目だった。
彼が何をしても、全て、天才魔導師(笑)の兄の前では足元にも及ばない。
だからこいつは、魔導師を憎んだ。
この世に魔導師なんて存在がいるから。
生まれながらに、持つ者と持たざる者が生まれて、その間に大きな差がつく。
例え同じ両親から生まれた子供であっても、平等ではない。
持つ方だけが評価されて、持たない方は蔑まれる。
魔導師がいるから。全部魔導師のせいで…。
…で、それが何だって言うんだ?
俺に言わせれば、そんなものは片腹痛い。
生まれたときから人に差があるのは当然だ。
魔導適性のみに限った話ではない。
自分に才能がないことを正当化する為に、言い訳してるだけだ。
そんなに兄と比べられたくないなら、そんなに周囲に馬鹿にされるのが嫌なんだったら。
ポエム帳を作るくらい追い詰められてて、魔導師憎さに、怪しげな世界を作り出して他人に腹いせするくらいなら。
もっと、先にやることがあるだろ。
「怒りや憎しみをぶつけるなら、家族にぶつければ良いでしょう。あなたを馬鹿にする人々に、殴られた分だけ殴り返せば良かったでしょう」
殴られた、は比喩だ。
でも、言葉で殴られたようなものだ。
「あなたが、自称優秀な兄のせいで苦しんでいたのは知ってますよ」
嫌と言うほどポエム帳を見せられたし。
そして。
俺は…この人に似た人生を送った人を知っている。
全く意趣返しのようで、腹が立つ。
「でも…その憎しみを、他人にぶつけるんじゃないですよ!」
俺は、少年の下顎にアッパーカットを食らわせた。
「がふっ」
がふっじゃない。
ついでに。
「自分が世界で一番不幸だなんて自惚れて、ガキみたいな我儘言ってんじゃないですよ!」
とどめとばかりに、脳天に拳骨を食らわせてやった。
少年は脳天に食らった一撃で、へなへなと床に崩れ落ちた。