神殺しのクロノスタシスⅣ
――――――…その頃。

先輩看護師とは名ばかりの、実は看護の知識など皆無に等しい、偽看護師の無闇・キノファは。

何とも切ない…と言うより。

悲惨とも呼べる光景を、見せつけられていた。

「うぅぅ…嘘だろ、こんな…。嘘だ…」

「…」

俺を先輩、と気さくに呼ぶ後輩看護師の青年は、ベッドに縋り付くようにして嗚咽を漏らした。

周囲には、他の医師や看護師、その他…彼女を看ていた医療チームのスタッフがいて。

彼らもまた、沈んだ面持ちで哀悼の意を表していた。

つい先程、命を終えたばかりの少女に向けて。

そう。

俺達看護師のことを、お兄さんと呼んでいた、あのあどけない少女は。

ほんの数十分前に、その人生を終えていた。

この世の苦しみが解き放たれ、死の世界へと旅立ったのだ。
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