愚かな男を愛したセリーナ
「愛しているんだ、セリーナ。俺にはお前が、お前だけが必要なんだ。今頃気がついて、本当にバカな俺だけど」
「セド」

 セリーナは両手をいっぱいに伸ばしてセドリックの背中に回した。もう、怒っていないと手が語るように、優しく抱きしめる。

「好きだ。……俺と、本当の夫婦になって欲しい」
「セド!」

 驚いて顔を上げると、眉を寄せながら許しを乞うように見つめるセドリックがいる。もう、離さないとばかりに抱きしめる太い腕が、セリーナを優しく締める。

「ホントに? 本当に、私を妻にしてくれるの?」
「あぁ、俺にはお前しかいないんだ。ギルドでペアも組もう。お前を正式にパートナーにしたい。もう、俺から離れないでくれ」
「セド、セドッ! ……私も、好き」

 消え入りそうな声で、セドリックに返事をしたセリーナは顔を彼の胸に埋めた。もう、すでに一度身体を繋げているにもかかわらず、想いを正直に伝えるのは恥ずかしい。

「セリーナ、本当か? 本当に、俺のこと、許してくれるのか?」
「もう、私以外の名前で呼ばないでね」
「当たり前だ!」
「もう、私以外の女の人に目を向けちゃ嫌だよ?」
「あぁ、約束する。生涯、お前だけだ」
「約束破ったら、これが取られちゃうからね」
「あ、あぁ。……わかってる」

 一瞬、顔をサッと青白くしたセドリックだったが、喜びを噛みしめるようにセリーナを持ち上げた。

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