再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「君の息子が僕にSOSを訴えてきたんだ。真綾の悩みの原因を知る権利は、僕にはあるんじゃないかと思うんだけど」
「う……」
「違うかな?」

 畳みかけるように尋問をされ、さすがに両手を挙げて降参のポーズを取りたくなった。

 ノアの言う通り。幹太が彼に助けを求めたのだ。真綾の悩みの種について知る権利は存在するだろう。

 ハァー、と深く息を吐き出したあと、身体ごとノアに向き直った。

「はぁ、参りました」
「ふふ。幹太から依頼されたからね。何が何でも吐いてもらうよ? 真綾」

 ノアを巻き込んでしまったのである。さすがにごまかし続けるのは難しいし、心苦しいものを感じる。
 
 半ば諦めつつ、だけど言いづらくて小声で呟く。

「……幹太の、父親に会っちゃったんです」
「は……? 嘘だろう? いつ!?」

 ガタッと音を立てて立ち上がったノアだったが、椅子が倒れそうになって急いでそれを押さえる。

 驚かせてしまった周りに頭を下げたあと、ノアは落ち着かない様子で椅子に腰かけた。
 そして、真綾の顔を心配そうに覗き込んでくる。

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