再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 頭が痛い思いがするが、 それでもやってのけなければならないだろう。

 真綾に関しては、もう一歩も引くつもりはない。
 それに、とすぐ目の前にいる幹太に視線を向けた。

 自分の子どもであるであろう幹太を、この手にするまでは絶対に諦めない。
 幹太の顔には真綾の面影があるが、性格は確実に央太に似ている。
 生意気なところが、そっくりだ。それに、そんな顔をしながらも、じっくりと状況を見極めている。

 子どもだからと侮ったら、きっと痛い目に遭う。だが、スクスクとまっすぐに育っている。

 全部、全部、真綾のおかげだ。
 幹太がこの世に生を受けたのも、すべて真綾のおかげ。
 あの細腕で、何度となく大変な思いもしただろう。そのときに、傍にいられなかったことが悔やんでも悔やみきれない。

 幹太はこれからどんどん大きくなり、大人になる。その過程を、傍で見守っていきたい。
 そこには、真綾の存在が必要不可欠だ。

 必ず、二人と幸せになりたい。胸に込みあげるものを感じながら幹太を見つめた。
 ヘヘッと年相応の笑顔を見せた幹太がかわいくて、何度も頭を撫でる。

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