再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 だけど、こうして央太に再会して思い知った。自分に言い聞かせていただけだと。

 彼と一緒がいい。そんな感情が込み上げ、それを抑えるのにここ最近は必死だった。
 何も言わずに央太の背後にいると、彼は真剣にクレーンを見ながら話しかけてくる。

「あのときは、一つのぬいぐるみを取るのに手こずって散財したけど。今は結構すぐに取れるようになったんだぞ?」
「……そう、なの?」
「ああ。いつか真綾に、ぬいぐるみ取ってやりたくてな。練習した」
「え……?」
「真綾はもう俺には二度と会いたくないだろうから、真綾に再会するなんて未来は来ないって思っていた」
「央太さん」

 彼の切ない気持ちや心の痛みがダイレクトに伝わってきて、唇を噛みしめていないと泣いてしまいそうだ。
 キュッと手を握ってそれを我慢する。

「だけど、どこかで期待していた。いつか……いつか、もう一度真綾に会うことができるかもしれないって」

 背を向けたまま、クレーンゲームの操縦棒を持つ彼は今、どんな表情でいるのだろう。
 胸が切なく鳴いてどうしようもなくなっていると、急に大きな音がしてハッと我に返った。

< 166 / 224 >

この作品をシェア

pagetop