再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 所々にある街灯が、闇夜を少しだけ明るくした。だが、もう少しすれば彼にさよならを言って帰路につかなければならない。
 それがわかっているからこそ、こうして二人きりで手を繋ぎいで思い出の川辺を歩く。
この時間が、とてもかけがえのないものに感じて切なくなった。

 東屋まで来ると、自然な流れで二人で腰を下ろす。
 今日は新月だ。月の光がない分、星が瞬く光がより明るく見える。

 無言のまま、二人で夜空を見上げた。もちろん、今も当然のように手を繋いだままだ。
 彼のぬくもりを感じるたびに、切なくてどうしようもなくなる。
 このぬくもりは、六年もの間感じることはできなかったが、よく我慢できたと思う。

 今はもう、央太の手を自らの意思で離せない。それが怖かった。
 そんな自分に気がつき、それではダメだと自身を叱咤する。
 ゆっくりと彼の手を解こうとすると、ギュッと握りしめられた。

 ハッとして隣に座る央太を見れば、こちらを怖いぐらいに真剣な表情で見つめている。
 ドクンと一際胸が高鳴り、目をそらすことができない。

 息を呑んで彼を見つめていると、央太は真剣な声色で真綾に命令をする。

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