再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 誰も見ていなかったか。何度も確認してしまった。なんとなく誰かの視線を感じたのだが……気のせいだろう。気のせいであってほしい。

 まだ、頬の熱は冷めなくて心臓はドキドキしている。
 時間が欲しいとお願いしてから、央太は見守るスタイルを貫いてくれている。それがありがたい。

 彼の手を取るには、色々な覚悟が必要だ。ただ、央太が今も真綾を愛してくれていることを知り、涙が出るほど嬉しかった。
 だからこそ、覚悟をして一歩を踏み出すしかない。
 また新たな覚悟を決めながら、幹太のお迎えに行った。


 
 今週末には、幹太とじっくり話をしよう。そう決めた金曜日。
 いつもように仕事を終えてオフィスを出ると、すぐさま幹太を迎えに保育園へと向かった。

 ――やっぱり、誰かが見ている気がする。

 品川が元部長の中村に恐喝まがいをされた、あの日以降。なんだか誰かにつけられているような気がして仕方がない。

 でも、気がするだけなので会社やノアにも伝えていない。もちろん央太にも伝えずにいる。
 心配事が重なって、疲れているのかもしれない。そう解釈をしていたのだけど、やっぱり気になる。

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