再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 今は、とても良好な関係を築けていることにホッとしている。
 もし、反対された場合。央太は間違いなく縁を切ろうとしていただろう。
 きっと真綾が止めても無駄だったはずだ。
 そうならなかったことに、安堵のため息が出る。

「風が気持ちいいな」
「うん」

 仕事の電話が終わったのだろう。背後から央太が抱きしめてくる。
 こんなふうに穏やかな日々を彼と過ごせるなんて、幹太を身ごもった頃には想像できなかった。

 ――幸せだな。

 彼のぬくもりに包み込まれ、嬉しくなる。
 央太の腕に頬ずりをしていると、なぜか重たいため息が落ちてきた。

「どうしたの? 仕事、大変?」
「大変って言えば大変だけど……」

 どこか歯切れが悪い。首をひねっていると、彼は私を強く抱きしめて面白くなさそうに口を尖らせた。

「ノアさん、未だに真綾を諦めていない。さっさと諦めてほしいんだが」
「あぁ……」

 央太が言わんとしていることが伝わってきて、思わず苦笑いを浮かべる。
 所謂元サヤに収まった真綾と央太だが、それに異を唱える人物がいた。ノアだ。

 結婚が決まった当初も、彼からの説得が凄まじかった。

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