再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 大荷物になったら、サービスカウンターで配送の手配もできるらしい。
 善は急げ。仕事が始まる前に、細々とした物を用意しておいた方がいいだろう。

「よし、ここに行こうかなぁ」
「どうした? ママ」

 真綾のそばで本を読んでいた幹太が、不思議そうな顔で見つめてくる。
 そんな幹太の頭をグリグリと撫でると、迷惑そうに顔を歪めた。

「なんだよ、ママ。構ってほしいのか?」
「あのねぇ……」

 構ってほしいのは、きっと幹太の方だ。
 日本に来てから引っ越し作業ばかりで、なかなか幹太と遊ぶことができなかった。
 日本に来て数日経ったが、ろくにマンションの外に出ていないのである。
 
 幹太もフラストレーションが溜まっている頃だろう。
 ショッピングついでに、幹太にもたっぷり遊んでもらおう。そう思いついた真綾は、再び幹太の頭を再び撫で回した。
 迷惑そうに顔を顰めているが、目は嬉しそうな幹太を見て、ギュッと抱きしめる。

「よし、幹太。今からショッピングモールに行くよ!」
「ショッピングモール?」
「うん。ほらほら、これ見て。たくさんのお店が入っている大きなお店があるんだよ」
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