再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

　仕事中のノアは自分に厳しいのはもちろんだが、他人にも厳しい人物だ。
　だけど、ひとたび仕事から離れるとなかなかに気さくな男性である。
　なにより、甘いマスクでセンス抜群の彼は女性からもすこぶるモテているのだ。
　
　きっと、日本支社の女性陣からも熱い視線を送られているだろうと予想していた。
　そして、案の定。彼は日本でもかなりモテている様子だ。
　
　ノアのすごいところは、女性だけでなく男性からも慕われていることだろう。
　だから、ノアがものすごくモテていたとしても、不思議なことに男性陣からのやっかみを買うことがない。恐らく、日本支社でも同じことになるだろう。
　
　出社時間ギリギリにオフィスに飛び込んだ真綾の前には、人だかりがあった。
　女性ばかりではく、男性もいる。きっと、その中心にはノアがいるのだろう。
　苦笑しつつパソコンを起ち上げていると、手をパンと叩いてノアが部下たちに声をかける。
　
「さぁ、仕事をしよう。残業なんてもってのほか。優秀な者は、時間を有効に使えるはずだ」
　
　ピリリとした空気が流れ、彼の近くにいた人だかりはすぐになくなった。