再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「いいんじゃないですか? うちの幹太は、私の騎士ですから。きっと私を助けてくれますよ」

 暗に〝幹太を手懐けても無駄ですよ〟とほくそ笑むと、ノアは肩を竦めた。

「君の騎士は君以上に手強いからねぇ……。また、別の手を考えるよ」

 ヒラヒラと手を振って、ようやくノアが自分のデスクへと戻っていく。だが、歩いている最中から、表情がガラリと変わる。
 ビジネスマンとしての顔に変わり、すでに頭の中は真綾のことではなく仕事に切り替えているのだろう。
 
 そういうところは、さすがだ。尊敬できる上司である。
 だが、そろそろ諦めてほしい。
 小さく息を吐き出したあと、古巣である本社に日本の新商品の動きについてメールを送った。
 
 午前中は本社とのやり取りで潰れてしまい、こなさなければならない書類作成が出来なかった。午後から猛スピードで取り組まなければならないだろう。
 
 同じチームの女子社員数人とランチを食べながら、以前までのチームの話に耳を傾ける。
 
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