再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

　だけど、ノアの気持ちに応えることはできない。それは、一生だ。
　真綾の愛すべき存在は幹太と……幹太の父親である央太だけである。

　央太とはもう二度と会うことはないし、愛を告げるつもりもない。そもそも、告げる機会もないだろう。
　それでも、思い続けているだけなら罪にはならないはずだ。
　
　央太に気持ちが今もあるし、これからもその気持ちは変わらない。
　だからこそ、ノアには早急に諦めてもらいたいのに、あまりに強者すぎて困り果ててしまう。
　
　つれない態度を取り続ける真綾なのに、ノアは負けるつもりはなさそうだ。
　ノアはクスクスと軽やかに笑いつつも、真綾の背後から離れない。
　
　いつものパターンからすると、真綾がノアの顔を見ない限り離れていくことはないだろう。
　真綾は盛大にため息をついたあと、椅子を回転させて背後にいるノアを見上げた。

「何度も言わせていただいていますが、私には愛している恋人がいますから」
「ふうん、知っているよ？　小さい恋人はご機嫌で保育園に行ったかい？」
「ええ。元気いっぱいでしたよ」
「それは何より。じゃあ、まずは真綾の小さな恋人に声をかけようかなぁ」