再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「なるほど……。どこで知識が増えるのかわからないものだなぁ」

 すっかり関心している央太だったが、すぐさま批難めいた視線を真綾に送ってきた。
 央太が口を開かずとも、批難したいことはわかっている。

 二歳の子どもだと言っていたはずなのに、どうして五歳の子どもと一緒なのか、ということだろう。
 視線をそらしてはぐらかしたいところだったが、そういう訳にもいかないようだ。

 央太から批難めいた視線を感じる。真綾が嘘をついていたことに、すっかり気がついてしまったようだ。

「真綾」
「っ」

 彼の声が固く鋭い。どうやって言い逃れしようか必死に考えを巡らせるのだが、なかなか妙案が浮かばない。
 何も言わず口を固く閉じる真綾に、央太はため息交じりで言葉を吐き出した。

「お前が俺の前から消えた、この六年間のこと。色々と話を聞きたいんだけど?」

 央太の疑問はもちろんだろう。だが、その疑問に答える訳にはいかない。
 なにより、この六年間のことは何があっても彼の耳に入れてはいけないのだ。

 真綾と幹太、二人のささやかな暮らしが脅かされてしまう可能性が高くなる。
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