再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「弁護士のおっちゃん! まさか、うちのママを狙っているんじゃないだろうな?」
「っ!」

 さすがに驚いて言葉を失っていると、幹太はバックミラー越しに見える央太を睨みつけた。
 目を見開いて固まっていた真綾だったが、すぐさま我に返る。だが、怖くて運転席にいる央太に視線を向けられない。

 慌てて幹太の口を塞ごうとしたのだが、それをヒョイッと躱して抗議を続ける。

「うちのママが美人だからって、手を出したら承知しないからな!」
「幹太!」

 暴言を止めようと叱ったのだが、幹太は必死な形相で已然央太に食ってかかる。

「ノアもそうだし、保育園のカズ先生もそうだし。油断も隙もあったものじゃ、んぐぐ」

 ようやく幹太の口を押さえることに成功した。だが、本人は未だに言いたいことがあるようでモゴモゴと何かを言おうとしている。

 それを見て、真綾は厳しい声で叱った。

「静かにしなさい! 幹太。失礼なことを言うんじゃありません」
「……」

 グッと唇を噛みしめて俯く幹太に視線を向けたあと、慌てて央太に頭を下げる。

「スミマセン、永江先生。生意気盛りで申し訳ないです」

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