再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

　しかし、あの央太にそう伝えたとして納得してくれるとはとても思えない。
　誘導尋問ですべて伝えてしまいそうになるのが怖すぎる。
　それを考えると、どうしたって央太とは会わない方がいいという結論がはじき出されてしまうのだ。

　あれから一週間が経過し、連絡を寄こさない真綾に、そろそろ痺れを切らしている頃だろう。
　幹太の病気で仕事が大変になることはわかっているはずだ。だからこそ、この一週間真綾から連絡をしなくても央太は大人しくしていてくれたのだろう。

　しかし、そろそろ彼も動き出してくるはずだ。
　早く対策を錬らないと、大変なことになってしまう。どうしたらいいのだろうか。

　うんうん、と唸っていると、コトンと音を立ててテーブルにコーヒーが置かれる。
　ハッと我に返って振り返ると、そこには苦笑気味のノアが立っていた。

「どうしたの？　真綾。百面相して」
「百面相って……」

　苦笑していると、「ここ座っていい？」とノアは席を指差してくる。
　それを見たあと、そっぽを向いて口調を厳しめにした。

「抱きついてこなければね」
「……本当に悪かったって。もうしないから」