悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
またしても音を瞬時に察知し、ルカが素早く距離を取った。

(クラーク様、そういえば危険な攻略キャラでもあったわ……)

誰かに言われて、改めて彼の見た目に関してアメリアは思い出した。

よくよく見ていると、クラークは完全な無表情ではない。目などを見ていればわかる。声だって柔らかくなったりする。

「ところで、どうして監視などと誤解を?」

それもまた失礼な話だと思って、アメリアはクラークを少し横によけて尋ねた。

両腕を押さえてずらされたクラークが、自分よりも小さなアメリアを見下ろす。ルカは、その質問自体が不可解だと言わんばかりの反応をした。

「はぁ? だってさ、当初エリオット殿下とアメリア嬢の婚約には、不仲説もあったとは聞いたぜ」

「隣国までそんな話が?」

「銀髪の才女ミッシェル嬢に続いて、チェリーピンクの髪のアメリア嬢の名前も知られてたよ。上流貴族だと、そういう情報は早いだろ?」

そう言われても、アメリアはイメージがない。

そもそもぼっちの引きこもりで、他にやることがなく勉強をしていただけだ。縁談先のいい令嬢として名前が挙がるはずもない。

(外国の上流貴族と縁談が結ばれるのは、大抵王家の娘か、宰相を父に持つミッシェル様くらいだと思うのだけれど)

そんなことを考えて、小首を傾げる。

するとクラークが、彼女を見下ろしたまま口を開く。

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