悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
他人が入れる隙間などないと思って、きつめに言った。

「そうかな。マティウス殿下の方は、幼い頃からミッシェル嬢のところに通っていたから噂があったけど。エリオット殿下は、下克上を狙う怖い優秀な王子ってイメージしかないな。だから、俺の方が全然いいって」

「は……?」

ルカが胸に手をあてて、ずいって顔を寄せてきた。まるで自分をすすめるような彼に、アメリアはぽかんと口を開ける。

(……もしかしてエリオットが心配しているのは、ルカ様に盗られると思って?)

ヴァレンティーナは『恋』云々と言っていた。

でも、それこそないとアメリアは感じた。エリオットがたびたび熱く見つめてきたような瞳とは、全然違う。

もし結婚したいとかそういうのが目的だったとしたら、ルカの方こそ、不誠実な理由があるようにしか思えなかった。

(何か別の目的があって近付いている……?)

「ルカ様〝わたくしに〟近付いている目的はなんですか?」

アメリアは、警戒を覚えてルカを見つめ返した。

「仲良くなりたいだけだって。せっかく話せるようになったのに、そう固くなるなよ」

ルカがちょっとぎこちなく笑った。

(あ――たぶん、嘘だわ)

先日も、ぽろっと正直なことを口にしていた。

彼は元来、嘘がつけない人なのだとは感じていた。それなのに、面と向かって真剣に確認したら誤魔化された。

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