悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
以前あった舞踏会で、ちらりと見ただけだった。ようやく話せる機会が、と思うと興奮でつい名前が口に出た。

第二王子エリオットの幼馴染の侍従だ。

知らされていると思って、彼女たちは不審に思わず笑顔で頷く。

「はい、ソフィア様もご一緒ですわ」

「ミッシェル様もちょうどいるタイミングで、今、ヴァレンティーナ様とご一緒にヒューゴ様たちはお茶をしておりまして」

ヴァレンティーナは、エリオットの従姉弟だ。

同じく昔から交流があるヒューゴは、彼女にも結婚の長期休暇前に挨拶に来ているのだとか。

誰とも仲良くなれるのが、ワンコ君ことヒューゴ・ケインズの魅力でもある。あのツンが強いヴァレンティーナも、年下の弟のごとく彼のことを擁護しているのかもしれない。

アメリアは、そんな想像が頭の中に浮かんだ。

「陛下様たちの時間が揃って空くまで、特別サロンでゆっくりされるようなのです。そこでわたくしたち、ヴァレンティーナ様に頼まれて、アメリア様を呼びにきたのですわ」

「えーっ! ぜひ行きたいわ!」

二つ返事で答えたアメリアの向こうで、ルカが「ちょっと待て」と言う。

「たしかそこって、公爵令嬢が持っているとかいう後宮側のサロンだろ? あそこに行くのか?」

「ミッシェル様もいるもの!」

「友人なのになんだその熱意!」

騒ぐルカを、令嬢たちは無視した。

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