悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「ささっ、アメリア様ご一緒にどうぞ!」

「ルカ殿下、興味がないのでしたらお帰りになられてもよろしいのですよ」

護衛騎士――という名目でミッシェルを見にいくクラークが、アメリアに続きなが目も向けずに言う。

「冷たい騎士だなっ、俺も付いて行くからな!」

言い返して動き出した彼が、直後にぶるっとする。

「……なんか悪寒が」

そう呟きながら、あたりを見回したルカの目が一点で止まる。唖然とした顔をしたので、アメリアも気になってそちらを見た。

そこには、怨念でも飛ばすみたいに潜んでいる令嬢たちの姿があった。

(あ。たぶん、クラーク様のファンクラブだわ)

彼女たちのモットーは『影から見守る』だった。

おかげで、ヒューゴのファンクラブ経由で付き合いが始まったアメリアも、なかなか姿を見かけることがない。

ファンクラブも、色々と活動カラーが違っていたりする。

基本的には〝推し〟に迷惑をかけないことが前提だ。

ヒューゴは、人との交流を好んでいてファンクラブは挨拶や声援を贈る。その一方で、クラークはわずらわしいことを望まないため、今の形になったのでは――とアメリアは推測している。

「……なぁ、アメリア嬢。あの柱の影からものすごく睨んでいる令嬢たちと知り合いか? いったいなんなんだ?」

「え、と。ルカ様が文句を言ったからではないかしら」

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