悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
驚きのあまり、台詞が変なことになっている。

「ルカ第五王子殿下、女性ではないと正体を見破ったにしても、ご挨拶以降のお言葉にしては失礼ですわよ」

ヴァレンティーナの目が坐る。

アメリアは、クラークにソファの一つに座らされた。ミッシェルが向かいに見える位置だ。彼がちゃっかり隣に座る。

「いやいやいや、どう見ても男じゃん! パーティー会場一番の王家筋の特徴的猫目美人の背景が、ムキムキって想定外すぎ……うぇぇぇぇ!」

「煩すぎるので、出て行ってもらっても?」

「いやだっ、ここは絶対の安全地帯だしっ」

ルカの主張を聞いて、みんな首を傾げた。クラークだけが考える顔をしている中、メイドたちが紅茶を出し始める。

(ムキムキの大男と、女装のセットでかなり混乱もあるみたい……?)

アメリアも初めて見た時、真面目な話がすぐ頭に入ってこなかったものだ。あの見た目と存在感の破壊力は、すごい。

そばからルカが、クラークをぎゅっとアメリアの方に詰めさせて隣に座った。

「殿下、邪魔なのですが」

「殿下呼びのわりに容赦ねぇな! 怖いから一緒じゃないと座りたくない!」

ルカが、紅茶を置いたメイドにもビクッとして、咄嗟にクラークに身体の横をぴったり押し付けた。

「ルカ様、何情けないことを力いっぱい答えているんですか……」

アメリアは、本人たちの前で露骨にそう言うものではないと思った。

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