悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
彼らも護衛の任を受けた立派な騎士たちだ。傷付くだろう。心配になって、ちらりと窺った。

(……あ。いや、まったくの無反応だわ)

反応に慣れすぎているのか、まさか本人たちは納得して着ている?

それ以上考えるのはよした方がいいかもしれない。アメリアはいったん思考をリセットすべく、いい香りがする紅茶へ目を向ける。

進化させたと主張しているヴァレンティーナには、やはりルカの反応は大層面白くなかったらしい。つり上げた目でじろりと見やった。

「そもそも、淑女を付け回す殿方なんて紳士失格ですわ」

「美人は嫌いではないけど、俺もズケズケ言う強い美女は苦手……」

「ああん!?」

ヴァレンティーナが凄んだ。

アメリアは、生粋の令嬢の喧嘩声に「ひぇ」と細い声をもらした。しかし見守っているミッシェルは、「おやおや」と長閑な声を上げている。

(仲がいい、とか思っているんだろうなぁ……)

ヒューゴも、ほんわかとした空気でソフィアに菓子を勧めていた。待つことにしたようで、彼女も微笑ましげに「ありがとう」と言ってカヌレをもらっていた。

この三人、どちらも和む空気も持ち主だ。

なんだか頭の痛みが戻ってきた。ひとまずアメリアも、彼らにならって出された紅茶で喉を潤すことにした。

「ひぃっ、悪かったって! 美人なんだからそんなに怒るなよっ」

「褒めているのかなんなのか分かりませんわ!」

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