悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「なんで余計に怒るんだよ!? 褒めてるだろ! ツンなのかっ?」
ヴァレンティーナがギンッと睨む。
それは禁句だ。やっぱり彼は素直なのかしらとアメリアがはらはらと思っている間にも、ルカがよりクラークにしがみついた。
クラークの周りの温度が、一気に低くなる。
「――斬り捨ててよろしいでしょうか」
前を向く彼のアッシュブルーの冷ややかさは、極寒だった。
「だめに決まってんだろ怖すぎるだろお前! ちょっと触ってるだけじゃん!」
アメリアは、ますます怒りの形相になっているヴァレンティーナを前にそわそわした。
ミッシェルとソフィアの組み合わせを眺められるこの位置は最高なのだけれど、隣が騒がしすぎる。でも目の前には、美味しそうなクッキーも並んでいる……。
(ちょっと糖分摂取を)
アメリアは欲望に負けた。続いてクッキーを手に取る。
しかし、クラークにルカが詰め寄ったせいで腕が当たった。彼の方にクッキーが転がり落ちてしまう。
「あ」
クッキーが、ころころと膝の上をルカの方向へと転がっていく。
クラークが目で追った。気付いたルカも、彼の膝の上に注目する。
三秒ルールだ。今なら間に合う。アメリアはぎゅむっとクラークを押すと、落ちる寸前にクッキーを確保した。
「よしっ、セーフね」
「『セーフ』じゃありません。アメリア、こちらのクッキーと交換なさい」
ヴァレンティーナがギンッと睨む。
それは禁句だ。やっぱり彼は素直なのかしらとアメリアがはらはらと思っている間にも、ルカがよりクラークにしがみついた。
クラークの周りの温度が、一気に低くなる。
「――斬り捨ててよろしいでしょうか」
前を向く彼のアッシュブルーの冷ややかさは、極寒だった。
「だめに決まってんだろ怖すぎるだろお前! ちょっと触ってるだけじゃん!」
アメリアは、ますます怒りの形相になっているヴァレンティーナを前にそわそわした。
ミッシェルとソフィアの組み合わせを眺められるこの位置は最高なのだけれど、隣が騒がしすぎる。でも目の前には、美味しそうなクッキーも並んでいる……。
(ちょっと糖分摂取を)
アメリアは欲望に負けた。続いてクッキーを手に取る。
しかし、クラークにルカが詰め寄ったせいで腕が当たった。彼の方にクッキーが転がり落ちてしまう。
「あ」
クッキーが、ころころと膝の上をルカの方向へと転がっていく。
クラークが目で追った。気付いたルカも、彼の膝の上に注目する。
三秒ルールだ。今なら間に合う。アメリアはぎゅむっとクラークを押すと、落ちる寸前にクッキーを確保した。
「よしっ、セーフね」
「『セーフ』じゃありません。アメリア、こちらのクッキーと交換なさい」