悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
まさにその通りで、呼吸が止まりそうになる。

「言わ、れてない」

「本当に?」

咄嗟に応えてすぐ、詰め寄られてたじろいだ。

彼とは、秘密を作らずに話していくことを約束もしていた。

本当にそうだとは答えられなかった。けれど、彼の負担になりたくないと考えると話せない。それが不意につらくて泣きそうになった。

(ひどい。ルカ様が急にあんなこと言ったせいだわ)

すでに婚約しているのに、結婚相手を自分に代えないか、というようなことを言ってきたのだ。

そんなことできるはずがない。ひどく混乱している。

一目惚れという感じだって、まったくない。あのガーデンパーティーで初めて目が合った時も、軽く笑顔で答えてきただけ――。

(――ん? 待って)

初めて顔が合った時のことを思い返して、ハタと気付く。

ガーデンパーティーをしゃがんで覗いている令嬢がいたら、もう少し違う反応をするのではないだろうか。

思い返すに、ルカは驚きもなくアメリアを見つめていた。

(私の顔を確認していた、とか……?)

チェリーピンクの髪の令嬢なんて、このゲームには悪役令嬢のアメリア・クラレンスしかいない。

とすると、事前にアメリアの存在は知っていたのか。

「アメリア?」

「ご、ごめんなさいエリオット様っ。そろそろ時間よね? 私、先に授業に使う本を取ってこなくてはいけないのを思い出して」

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