悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「いいんですか!? ありがとうございますクラーク様!」

アメリアは安心した。どうやら彼的には〝オーケー〟らしい。

仕事には真面目なので、護衛なのにそばを離れることを了承してくれるかどうか不安だったのだ。

すると返事を受けたクラークが、ちらりと視線を横にそらす。

「いえ、礼など――実のところ〝予想通りすぎて〟少々物足りなさがあるくらいです」

「はい?」

何やら呟いた彼が「いえ、なんでも」と言って、眼鏡を押し上げる。

「それで? いつ実行する予定ですか?」

「時間が欲しいので、最後の授業が終わったら動きたいと思っています」

あのルカのことだ。この前のぎこちない別れなどなかったみたいに、またひょっこり現れるに違いない。

アメリアは、授業中にも考えをまとめていた作戦をクラークへ話し聞かせた。

彼が来たら速やかに場所を移動し、決着をつける。

「――話すのならあそこがいいでしょう」

クラークは、今回とても積極的に協力してくれた。



それからしばらく経った。

アメリアは最後の授業を終えて、講師に礼を告げ教室を一人で出た。待機していた兵たちが片付けの手伝いに入る。

(一人なのが、開放感があるわね)

王弟妃教育か始まってから、王宮内では本当に久しぶりのことだった。後ろを振り返っても、兵の誰かがついてくる気配はない。

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