悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
さすがクラークだ。協力をお願いしていてよかった。

心配なのは、最後の授業の場所が急きょ変更になったことだった。

ここは王宮の奥寄りの場所だ。ミッシェルとよく休憩していた別棟に近い。廊下を歩くのは貴族が数人くらいなもので、静かだ。

(ルカ様のことだから、どこからか話を聞き付けてくれる、わよね?)

場所も知っているといいのだけれど、と歩きながら不安が脳裏を過ぎる。いつもは会いたくないが、今日は絶対に来て欲しい。

クラークの話によると、彼はとても社交的らしい。

常に人がいるところにいて、初対面なのにお喋りしている貴族たちの輪に加わって話しを楽しむ。その際、それとなくアメリアのことを聞いているのを見た騎士がいるのだとか。

『どうして他の貴族たちが、そう頻繁に私の目撃情報を持っているのかしら……?』

『お前は有名人ですからね。貴族たちも見掛ければ目で追って確認しているくらい注目しているんですよ』

『あはは、それはないですよ』

そんな会話をしたのは、最後の授業前の休憩だ。

あの時、なぜクラークが変な顔をしていたのか分からない。気のせいでなければ、表情でけなされた気がする。

(開放感はあるけど、いつもクラーク様と歩いていたから変な感じだわ)

授業部屋が見えなくなったところで、人の通行が絶えた広い通路を見た途端に肩が落ちた。

< 166 / 202 >

この作品をシェア

pagetop