悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
ミッシェルのお喋りでもしたかったなと、少し残念に思う。

クラークとは、馬車乗り場の近くで待ち合わせしようと話し合っていた。彼は護衛としてそばから離れることを黙っていてくれて、アメリアが来るのが見える位置で適当に時間を潰すしてくれると言った。

(少しは、彼の休憩になるといいな)

近衛騎士隊長の仕事の傍ら、アメリアが王宮にいる時は護衛仕事もしている。付きっきりは大変だろう。

そう思った時、アメリアは再び人の姿が見えたことに気付いた。

「あ」

顔を上げてすぐ、向かってくるルカと目が合う。

「出たな第五王子!」

思わず指を突き付けた。

「ひどいなぁ……この前の言葉だけでそんなに嫌がる?」

ルカが、初めてまいったように眉を下げる。

嫌がっていたのは元々だ。彼の行動は迷惑だと感じていたし、好感度は一つだって上がっていない。

「あれは問題発言よ。冗談にしても性質が悪いわ」

「冗談のつもりじゃない。嫌な結婚からアメリア嬢を助けてやれるし」

「はぁ?」

この前から聞いて居れば、随分とエリオットとの婚約を誤解しているみたいだ。

「ちょっとこっちに来て」

また胸がむかむかしてきたアメリアは、ルカの手を引っ張った。

「おいおい、どこに行くんだよ」

「話ができるところよ」

そう告げたら、ルカが納得いった顔をした。

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