悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
彼自身は王位に興味がないようだ。兄弟争いを避けたくてアメリアに近付いてきたようだが、わけが分からない。

「言っておくけどっ、私の家は婿入りなんて歓迎してないから!」

「違うって! アメリア嬢にうちに来てもらって、その頭の良さでどうにか俺を王位継承から外してもらおうと考えていたというか――」

「他力本願なの!? 自分でやりなさいよ!」

後ろから、令嬢なのに足が意外と速いぞ、この国の令嬢は感心するな、などと緊張感が飛びそうな刺客たちの感想が聞こえるが、無視だ。

彼らは、それくらい余裕があるのだろう。

恐らく、アメリアを巻き込むつもりはないから考えているのかもしれない。

元々友好を築いてはいない国だから、何かあれば一気に国交問題に発展してしまう。

(継承範囲外になる程度に痛めつける、というようなことを言っていたから、殺す目的ではないとは思うのだけど……)

どの程度の怪我になるのか、持っている剣の鋭利さにはぞっとする。

このままルカを見放すなんて、アメリアは無理だ。争い事になって目の前で血を見るのも嫌だ。

「自分で無理だったから、最後の頼みの綱でこっちの国の逃げてきたんよ!」

別棟を抜け、回廊へ突き進んだところでルカが叫んだ。

別棟から出たのに、通行人一人いなくて胃がぎゅっとする。

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