悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
かなり痛かったのか、ハワード騎士団長にひきずられてこちらに連行するまで苦悶の呻きを上げていた。

かわいそうだけれど、考えなしの自業自得だ。

クラークたちとそばから見守るアメリアは、なんとも口を挟めない。

「つまるところ、お前は保身と立場的優勢を考えてアメリアを盗ろうと?」

「ミッシェル侯爵令嬢は婚約しちまったから……」

「俺とアメリアは、その前に婚約済みだ」

エリオットの声は落ち着いていたが、かなりの怒りを孕んでいた。

ルカには効果がなかったようだ。不自然に横下を見つめたまま「だってさぁ」と唇を尖らせる。

「無理やり婚約して、自信がなくて逃げられるのを見越して護衛という監視をつけているのかな、て」

「なんでそういう風に思ったんだ」

まったく……と愚痴ったエリオットが、疲労感を滲ませて頭をかいた。長椅子の背にギシリともたれかかる。

「せっかく相思相愛になった俺たちを巻き込こむな」

「別にあんた、いや、エリオット第二王子殿下を巻き込もうと思ったわけではないんですよ。あわよくば婚約を白紙に持ち込んで、国に連れ帰って、俺の暗殺減ればいいのになーとか思っただけで」

「教育不足だなルカ第五王子殿下。その考えなしの思考を聞かされただけで、今すぐ国外追放を言い渡したくなった。国の外でなら勝手に暗殺されようが、うちの問題じゃないしな」

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