悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
しかしロバートは、やはり少し考える。

「……えーと」

「なんです?」

「いやー、先日も赤面でソファのクッションを叩いていたのになー、とか?」

やけに具体的なヒントを出してきた。

アメリアは、彼が何を言っているのか分からない。とにかく今は、ミッシェルのことに集中できる大事な時間だ。

「私、観察ポイントの確認の計画立てで忙しいので、お話ならまた今度で!」

「観察?」

ロバートは少し考えたものの、のんきな顔のまま「ま、いっか」と言って着替えに行った。



――というわけで、今のところエリオットの味方は、アメリアの周りにいなかった。



◆§◆§◆



そして翌日も、アメリアは王宮にいた。

「や、だ。殿下とのセットが麗しすぎる……!」

茂みの向こうにあるのは、優雅なガーデンパーティーだ。

第一王子マティウスとミッシェルの婚約祝いで、数ヵ国の王族関係者と要人が来国していた。それを歓迎してのものである。

婚約の知らせが出されてから、日々多くの祝辞の手紙が届けられていた。その一番近い国々の第一弾の要人らが足を運んだのだ。

「クラーク様見てくださいっ、今のミッシェル様の微笑みっ――クラーク様?」

沈黙が続いているのに気付いて、不審に思いようやく目を向ける。

すると隣で、クラークがハンカチを鼻にあてていた。

「……まさか、また鼻血ですか?」

「大変至福です」
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