悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「あの冷酷騎士隊長が気遣っているぞ……」

「世話を焼いている、だと……!?」

騎士サロンが、またさらに少しざわついた。

そんなこと〝高貴なる令嬢〟であるミッシェルのことを考えている二人の耳には入らない。

「しかし、ストーキングが難しいところは私も思っています」

ハンカチをしまって、彼が腕を組む。

「我々も自由になる時間が限られてしまいましたからね」

「そうなんですよ! 暇になったタイミングで、ミッシェル様は外に行かれたりしていますし」

昨日を振り返ったアメリアは、溜息を吐く。

授業の後半休憩は、兵に聞いたら国賓と急きょ外へ出掛けられたと言われて、ミッシェルの姿を見ることは叶わなかった。

もちろん授業の休憩の時間が合わないことも多い。

「マティウス王太子殿下は、今朝から外でご一緒に公務が入っているとか。護衛についた騎士学校の先輩の隊長を、つい斬り殺したくなります」

「それは物騒ですね!」

(あっぶない!)

さらりと語っているが、クラークならやる。

冷酷で冷徹、というゲームの紹介文は、仕事でも容赦がないところからもきているのだ。

マティウスは現在、将来のためにも、婚約者になったミッシェルとほとんど行動を共にしている。

第一王子の護衛たちは、彼女もいっしょに守っているのだ。

(前までは、殿下にはクラーク様の部隊がついていることが多かったというけど)

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