悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
本日は、来国している近隣国の要人達との交流を兼ねたパーティーだった。

主役は、第二王子と婚約中のアメリアだ。

社交界で顔を広くするため、懇意にしている大貴族たちへ王妃がわざわざ顔合わせをさせてくれる予定だった。

ミッシェルとマティウスは、国王と共に王族関係者らと公爵家が持つ城で正餐会だ。ここに王太子たちがいれば、そちらに注目も分散してしまうという配慮もあったのだろう。

でもアメリアは、ぜひともミッシェルとパーティーを楽しみたかった。

「ミッシェル嬢がいなくて悪かったな」

ふと声が聞こえた。

目を向けてみると、そこには口角を引き攣らせているエリオットがいた。

公務が忙しい彼とは、ここで合流予定だった。

本日の彼は、貴族の間で流行しているお洒落なジャケットに身を包んでいた。軍服仕様感のないストックタイも、よく似合っている。

「やはり負けている気がする……」

ときめきを覚えた直後、なぜか溜息を吐かれてしまった。

「エリオット様?」

「なぁアメリア」

顔を上げた途端、彼がずいっと迫ってくる。

(ち、近いっ)

男性の推し顔だ。アメリアは無性にどぎどきした。つい、ボリュームがあるドレスのスカートを両手で握る。

「な、んでしょうか」

「一つ確認したい。俺とミッシェル嬢、どっちが――」

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