悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
王妃があとを頼んで貴婦人らと移動するなり、ヴァレンティーナは金髪を手で払って言ってのけた。

相変わらず、存在感をすごく引き立てる立て巻きドリルヘアーだ。

「言っておきますけれど、王妃陛下に頼まれたからみてあげるだけであって、わたくしが自分で名乗り出たわけじゃないんだからねっ」

「そ、そうなんですね……」

説得力がなくて、アメリアは困り顔で微笑みを返した。

ぷんぷんした様子を装っているが、ヴァレンティーナは頬を上気させて、そわそわしている。

(相変わらずのツンデレだわ……)

ミッシェルの件で関わってから、彼女とも交流が続いていた。

先日、城の茶会に呼ばれた時もこんな反応だった。

とはいえ、とても心強い相手だ。ただ、目をつり上げる顔すら美しいヴァレンティーナの〝背景〟が気になって仕方がない。

少し後ろに、彼女の移動を待つ屈強な護衛騎士たちの姿があった。

(……彼ら、特別サロンでいつも女装している面々なのでは)

特徴的なその筋肉ムキムキの体格は、彼ら以外に見たことがない。

「ところで、わたくしは昨日もミッシェル様にご同行いたしましたわ」

「えっ、羨ましい!」

アメリアは、ぎゅんっと視線を戻す。

すると、ヴァレンティーナが気分良そうに扇を開いて口元に寄せた。

(あ、その表情。なんかエリオット様に似てるかも)

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