悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
覚える人脈も家系も多かった。

だが、さすがは公爵令嬢だ。ヴァレンティーナは立場としての恥じぬ対応だけでなく、社交界における女性貴族たちの力関係まで全て把握していた。

「これくらいでなければ、王妃陛下の後宮を任せられませんわ」

「同じ歳なのにすごいわ……」

思わず移動の最中に感想をもらすと、彼女はまたしても扇を口元にあてる。

「おほほほ。あなたの方が早く十六歳になるのですから、がんばらないといけませんわよ」

ヴァレンティーナは、またしても得意げになった。

先程のエリオットに続いての、今度は女性面からの友好関係を叩きこむとあっては頭の疲労はすさまじい。

(でも……〝未来の妻〟としては、がんばらないとねっ)

彼の妻として、と、不安もなく考えられるようになったこともうれしい。

自分に言い聞かせた時、つい頬が赤くなりそうになった。ヴァレンティーナにバレないよう機敏に次の貴婦人グループと接触する。

(……私、彼に望まれて婚約者(ここ)にいるんだわ)

それが、無性に嬉しい。

「アメリア様、そろそろお疲れではないかしら?」

「えっ? いえ、そんなことは」

やる気に満ち溢れて次々に行い続けていたアメリアは、きょとんっとする。

だが立ち止まった途端、押さえていたはずなのに赤面しているみたいに頬が熱いことに気付いた。

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