悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
口にしたところで、喉がからからなのを自覚した。一気に飲み干す。

(ふぅ。結構歩いたのね)

これまで、あまり社交界に出ていなかったことを思い知った。

改めてヴァレンティーナを尊敬する。彼女のように、対面と歩き慣れもしていかないといけないだろう。

ミッシェルだって日々、マティウスと会への出席や移動が続いているのだ。

「私も、がんばらなくちゃね」

彼女のことまでサポートするためにも、場数を踏んで体力、精神力を増やしていくのだ。

その地道な努力が、将来エリオットの妻として役に立てるだろう。

(エリオット様は、そろそろ都合がつきそうかしら)

空いたグラスを使用人に預け、その場をあとにする。

待ち合わせ場所などは決めていない。歩き出したものの、さてどうしようかと思った時だった。

「あなたがアメリア嬢?」

知らない声だ。

だが振り返ったところで、アメリアは驚いた。

そこに立っていたのは、先日のガーデンパーティーにいた紫色の髪をした美男子だった。癖毛で、やんちゃ系な愛想のいい表情をしている。

(み、見ればみるほど外国の人、よね……?)

今のところ、招かれているのは国賓たちだ。

早々に失礼をしたのではと勘ぐって、アメリアは血の気が引く。

「……わたしくは、たしかにアメリア・クラレンスですわ。あ、あの、まさか先日のことで、何か」

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