悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
アメリアの頭に真っ先浮かんだのは、これ以上の失礼を重ねないように注意することだった。

相手が美男子だとか、そういうことはどうでもいい。

彼は、国王の客人だ。エリオットたちに迷惑はかけられない。

「この前のことまで心配に思ってるのか? 大丈夫だって。まぁ、ちょっと気になりはしたけどな。護衛を連れて誰を見ていたんだ?」

クラークの存在にも気付いていたようだ。

「え、と。友人のミッシェル様が気になって……見守っていたというか?」

「ああ、王太子殿下の婚約相手? まぁ顔は知っている仲だよな、アメリア嬢は第二王子殿下の婚約者だし?」

うんうんと相槌は打っているものの、軽く聞き流されているような感じを受ける。

初対面なのに、知ったような口調がだんだん苦手意識を煽った。マティウスやエリオットとは、だいぶ方向性の違う王子様らしい。

(ちょっと苦手かも……)

早々に辞退した方が良さそうだ。

「それでは、わたくしはこれで……」

「あ、待てよ。暇なら一緒にケーキとかどう?」

回れ右をしようとしたら、前に回り込まれて引き留められる。

「女の子ってそういうの好きだろ? おすすめのお菓子とかあったら、俺におすすめしてみない?」

アメリアはびっくりした。腕に触られなかっただけましだけれど、苦手感がぐんっと増した。

「いえ、ケーキは別に」

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