悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「一人なんて寂しいだろ? 俺も君と話したいし」

まるで決め付けるような言い方が不自然に思えた。

アメリアはエリオットの婚約者だ。普通なら、彼と共にケーキを食べたりすると思うだろう。

それに本日のパーティーの主役が一人、だなんて普通思うだろうか?

「つい先程、休憩で〝友人〟といったん別れただけですわ。これから待ち合わせの予定もありますので」

「じゃあさ、それまで一緒に俺と待つのはどう?」

「え?」

すぐに予定があると思わない意外な返しに、目を丸くする。

「そうしたら話せるじゃん」

「あの……これから向かうところですから、残念ながら」

「途中まで歩きながら話すのでもいいし」

軽口調でも嫌味っぽさはないが、ぐいぐいくるところには違和感も覚えた。なんというか、とにかく離れたい。

「ルカ殿下は、どうしてそんなにお喋りがしたいのですか?」

じっと見つめると、彼の紫の目が潔白を証明するみたいに輝きを帯びる。

「アメリア嬢とお喋りしないな~って純粋に思っただけ。俺のことは殿下呼びじゃなくてもいいからさ、気軽に話してよ」

愛想のいい態度なんて一つも取れていないのに、彼は子供みたいな目でにこにこと笑って提案してくる。

「……どうしてわたくしに?」

「興味があるだけ。あ、それにガーデンパーティーのことが忘れられなくて?」

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