悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
(俺の目的のために)

「『薔薇君の令嬢』という噂通りの美人で、良かったよ」

彼は次の接触の手を考えるべく、飲みもしないシャンパングラスをテーブルに置くと、つまらないパーティーをあとにした。



◆§◆§◆



もう会わないと思う。

そう軽く考えていた先週の自分を殴りたい。

「よく歩くな。好きなのか?」

「運動は好きですが、それが何かっ」

王宮に到着して早々、アメリアはルカを振り切るように早歩きしていた。

休みを挟んだ翌週、授業のために王宮に行くとルカに突撃されるようになった。来た時や、帰る時、彼は神出鬼没に現われた。

連日、この状態だ。とにかく話しかけてくる。

(勉強のための滞在ということは、留学滞在でもあるわけよね? 勉強はしているの? 暇をしているのではないの?)

昨日なんて、クラークに馬車まで送り届けられたのち、窓を叩かれた。

なんだろうと思って見てみたところ、彼と代わるようにしてルカがいたのを見た時は、驚いたものだ。

相手は隣国の王族なので、仕方なく窓を開けた。しかし勢いよく質問され「ごきげんよう!」とだけ言って閉めたのである。

普通、馬車に訪ねるなんて、失礼なくらいだ。

(『興味がある』と言っていたのが理由?)

今日も、待ち伏せていたかのように王宮の建物の出入口で声をかけられた。

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