悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
「今日はここまでだな。じゃあまたな、アメリア嬢」

向こうから、クラークが歩いてくる。

それを確認して、アメリアは納得した。ルカは、いつもクラークの合流に合わせて離れていくのだ。

(『またな』、じゃないわ)

アメリアは、飄々と去っていくルカの後ろ姿をげんなりとして見送る。

「……いったい、どうなっているのかしら?」

「私に尋ねるより、あとの集まりで全員から意見を聞いた方が公平かと」

クラークの言う通りかもしれない。

まずは授業をがんばるべく、アメリアは彼と共に、本日の講師が待つ勉強場所へと向かった。



◆§◆§◆



その数時間後。

「彼、あなたに『惚の字』なのではないかしら?」

「ほ、『惚の字』!?」

まさかり単語がヴァレンティーナの口から出て、アメリアはのけぞった。

授業後、後宮サロン近くの部屋でお茶休憩で集まった。そこには、ミッシェルと活動途中のヴァレンティーナも一緒に足を休めている。

「だって、話を聞くにそういう構図しか浮かばないですわ」

「私としても、その可能性が高いかと」

「クラーク様もそう思ってたの!?」

なんであの時に言わなかったのか。

「私一人が言ったところで、お前のことですから笑い飛ばして終わるかと」

「うっ、そう言われたら否定できない……!」

アメリアは、クラークの隣でテーブルに拳を押し付ける。

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