悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
彼が紅茶を口に含む直前「否定しましょうよ」と、ジョークなのか本気なのか分からない口調で呟いた。

するとミッシェルが、ふっと顔を上げてきらきらとした笑顔を向ける。

「アメリアは綺麗だからね。婚約者がいると分かっても、構って欲しかったのかも知れないよ」

「ミッシェル様の方が女神級のお美しさですうううううう!」

疲弊しきっていたアメリアは、思わず拝んで口からも出してしまった。

綺麗だとか美人だとかいう理由は、絶対にあり得ない。

アメリアは、眩しいくらいの美女美女の面々を目に収めて思う。黄金の輝きを持った強烈な美少女ヴァレンティーナ、芸術品のような崇高な美しさを持った銀の髪を持った美女ミッシェル。

その一方で、そこに唯一加わった男性なのに、全く違和感がないという灰色の髪をした美貌の近衛騎士隊長クラーク。

(ああ、目に眩しい)

つい、再度三人まとめて拝んでしまう。

「じっと見ていたからと思ったら、悟ったようなその気持ち悪い笑みは何ですの?」

「いえ、まさに悟りを得た心境です」

答えたアメリアに、ヴァレンティーナが顔を顰めている。その表情さえも美少女だと思った。

(それにしても『惚の字』、ねぇ……)

ルカの顔を見たのは、カーデンパーティーが初めてだ。

しばらくしてこの前再会しただけ。隣国の王子に惚れられる可能性なんて、現実的に考えればゼロだ。

< 60 / 202 >

この作品をシェア

pagetop