悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
(それに私は……エリオット様以外に、男性は見えないもの)

なので、勝手に一目惚れされても困る。

悪役令嬢だったはずのアメリアを、好きだと言って妻に求めてくれた人だ。

アメリアは意地悪な顔をしているのに、エリオットは『素直さが滲んで愛らしい』と恥ずかしげもなく言う。

他にそんな男性が現われるなんて――。

(……ない、はずよね?)

ゲームで悪役令嬢の〝相手〟なんて設定されていなかった。

(婚約者がいるのに、いけない恋をするような要素はこの乙女ゲームには含まれていなかったはずだし……)

ルカを思い返すに、大人の略奪愛、というイメージを感じない。

初めて話したのも先日のパーティーだ。こんなにもしつこく接触を図られるくらいに興味を抱かれる要素にだって、覚えもない。

「目的は何かしら?」

つい考え込むと、ヴァレンティーナがいじるのも飽きてきたようで頬杖をつく。

「だから、恋愛よ。いけない恋」

「ヴァレンティーナ様、それはあり得ないですよ。私はこんなんですし」

アメリアは、即刻で笑い飛ばした。

それを見て、ヴァレンティーナが唖然とする。そばでクラークが紅茶を飲む直前「ほらね、笑って終わりにしたでしょう」と言った。

「……あの堅物で、嫌味っぽいツンツンのエリオット殿下を落としておきながら?」

「お気になさらず」

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