悪役令嬢ですが推し事に忙しいので溺愛はご遠慮ください!~俺様王子と婚約破棄したいわたしの奮闘記~2
クラークがティーカップを置いて、律儀にも口を挟む。

「恋愛でないとお前が感じるのでしたら、そうなのでしょう。そもそも、あんなのは放っておけばいいのです」

それを聞いたヴァレンティーナが、素早く彼の横顔を見た。

「あんなのって言った……」

「ふふふ、クラークは意見する時もはっきりしているよね」

笑うミッシェルに、彼女はそれでいいのかどうか悩む顔だ。

会話も途中だったが、クラークはそんなミッシェルの笑顔をばっちり目に収めていた。アメリアもしっかり堪能していた。

「私たちにはこの通り、大切なことがあります」

意味深に目を戻されて、ハッと気付く。

「そうだったわ!」

勢いよく注視されたミッシェルが、「ん?」と優しい声を上げて首を傾げる。

(目の前の、女神!)

今後の彼女を見守り、サポートしていくために、がんばろうと計画を立てていたところだ。

ゆくゆく、王宮内で自由に動ける時間が確保できる時が来る日のためにも、今は王弟妃教育のかたわら準備がいる。

「その活動を彼のせいで抑えるなんてっ、もっての他!」

アメリアは、がばりと立ち上がって拳を掲げた。

以前『推しである』と熱意を聞いていたヴァレンティーナが、察したようにティーカップを持ち上げた姿勢でうんうん頷く。

「ふふ、アメリアは元気だねぇ。クラークと二人で何かしているのかい?」

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