9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
ショックではなかった。

不貞を働いたセシリアに怒りを覚えるほど、彼にまだ関心を抱いてもらえていると分かって、歓びすら感じる。

そのときだった。

再び扉が開いて、血相を変えた従者が転がり込んでくる。

「殿下、大変です……!」

「どうかなされたか?」

放心状態のエヴァンに代わって、最高司祭が従者に問いかける。

「オルバンス帝国の騎士団が城に乗り込んできて、こちらに向かっています!」

「なんだと?」

「オルバンス帝国が? どういうことだ?」

とたんに、重鎮たちも、神官たちも、一斉に慌てふためいた。

放心状態だったエヴァンですら眉をしかめ、取り乱している皆を見つめている。

だがこの中の誰よりも動揺しているのは、セシリアだった。

(オルバンス帝国が!? どういうこと? 早くも開戦なの?)
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