9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
過去の八度の人生で、エンヤード王国とオルバンス帝国が戦争に突入したのは、二度目・三度目・四度目・五度目の計四回だ。

いずれも、戦争の首謀者であるエヴァンは、皇帝デズモンドに手ひどく殺害された。

ときには直接的に、ときには間接的に。

だが戦争が始まったのは、いつもセシリアとエヴァンの結婚後だった。

早くとも、今から三から四年後である。

それも、先に侵略したのは毎回エヴァン率いるエンヤード王国からだった。

かの国から戦争を仕掛けてきたことなど、一度もない。

しかも、結婚前の、こんなに早い時期に――。

(何がどうなっているのかしら……?)

もしかしたら、セシリアが不貞を働き聖女ではなくなったことで、運命の歯車が狂い、エヴァンを救うどころか最悪な事態が訪れようとしているのかもしれない。

(すべて、無駄だったというの?)
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